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Stripe による Metronome 買収の発表

2025年12月3日、 Stripe がソフトウェア課金ツールを提供する Metronome 社を買収したことを発表しました。

Metronome社とは?

Metronome は2019年11月に設立されたサンフランシスコ拠点のスタートアップで、使用量ベースの課金システムに特化したプラットフォームを提供しています。創業者の Scott Woody 氏と Kevin Liu 氏は、いずれも自らのスタートアップを Dropbox に売却した経験を持つ起業家です。Woody 氏は Dropbox でエンジニアリングディレクターとして成長とマネタイゼーションチームを立ち上げた人物であり、Liu 氏は2014年に自身の会社 Predictive Edge を Dropbox に売却した後、同社でエンタープライズマーケティングマネージャーを務めていました。

両者は Dropbox 在籍中に知り合い、2019年に共同で Metronome を創業しました。創業のきっかけは、100社以上の企業にインタビューを行う中で、使用量ベースの課金システムを構築・運用することが極めて困難な技術的課題であることを発見したことにあります。従来のサブスクリプション管理システムは固定料金モデルを前提に設計されており、リアルタイムで変動する使用量に基づく柔軟な課金には対応できなかったわけです。

Metronome はこれまでに累計7800万ドル以上の資金を調達しており、General Catalyst、Andreessen Horowitz、NEA といった著名なベンチャーキャピタルが投資しています。2024年には Forbes の Next Billion-Dollar Startups リストに選出され、次世代のユニコーン企業候補として注目を集めています。同社は当初スタートアップ企業を主な顧客としていましたが、2023年以降はエンタープライズ市場にも本格的に進出し、急速に成長を遂げているところです。

クライアントについて

リソース使用量に応じた請求を出すタイプのサービス、生成AIを利用したスタートアップや IaaS ( Infrastructure as a Service )が主要なクライアントの様子です。

Stripeによる買収

Stripeはこの Metronome社を買収しました。今回の買収では、Stripeがここ数年注力している従量課金の請求系を強化することを目的としている様子です。

Metronomeは、Stripeの製品スイートの中核となる存在となり、顧客が見積もりを通じて現金や収益化のスタックに至るまで、クラス最高のコンポーネントを柔軟に採用できるようになります。

https://metronome.com/blog/important-company-update から翻訳して引用

買収額は非公開です。Metronome の共同創業者である Scott Woody 氏(CEO)と Kevin Liu 氏(チェアマン)は Stripe のチームに加入し、両社の技術統合を進めていく予定です。Stripe の CEO である Patrick Collison 氏は、公式声明で「使用量ベースの価格設定は、ソフトウェアビジネスの新たな基盤となる」と述べています。

今後について

かつて Lemon Squeezy買収した際は、MoR ( Merchant of Record )機能やその開発チームを Stripe に取り入れることを目的としていると噂されました。約1年後、 Stripe は Stripe版の MoR 機能である「Managed Payment」の非公開プレビューをリリースしました。デモ動画は LinkedIn でチェックできます。このことを考えると、合流から機能の統合まで1年から2年ほどかかるのではないかと思われます。

AIサービスによって加速する従量課金、今回の買収で 2026 年 2027年の Stripe がどうなるか注目ですね。