
Stripe Sessions 2026で発表された Stripe Project、SaaSへの支払いなどもStripe(Link)で集約管理できるとのことでしたので、触ってみました。
結論としては、2026年4月時点ではまだ日本では支払いの集約までできない様子です。触ってみた際の記録として紹介します。
Stripe Projects とは何か
一言で表すなら、複数の SaaS サービスの契約・支払い・認証情報を Stripe アカウントに集約するための仕組みです。AWS Marketplace が ISV ソフトウェアの調達窓口を一本化するのと近い発想といえます。
Stripe Project では Providerというカテゴリで Vercel や Supabase、Clerk といったサービス提供企業のアカウントを扱います。プロバイダーはそれぞれService というプロバイダーが提供する製品(データベース・認証・分析など)を持ち、実際にプロビジョニングされたリソースなどのことをResourceと呼びます。Stripe Projectはプロジェクトという単位でこれらをまとめて管理します。
この機能を利用するには、 Stripe CLI と Projects プラグインが必要です。
stripe plugin install projects
billing add コマンドで決済情報を登録する
プロジェクトを初期化した後、まず決済手段の登録状況を確認しました。
% stripe projects billing
Billing Method
No payment method configured.
Next steps
stripe projects billing add
未登録だったので billing add を実行します。
% stripe projects billing add
Complete billing setup in your browser to continue.
By default, a limit of $100.00 USD per month is set per provider.
Would you like to set your own limit instead? [y/N]
月次上限(monthly usage limit per provider)はデフォルトで $100 ですが、検証用に $10 に変更しました。この上限はプロバイダーごとに個別に適用されます。たとえば $10 に設定した場合、Vercel と Supabase をそれぞれ追加すると、各プロバイダーに対して最大 $10 まで支払いできるようになります。
Monthly usage limit per provider in USD: 10
Limit per provider: $10.00 USD
Applied to: All connected and future providers
Resets: 1st of each month
Confirm and apply? [Y/n] y
確認後、ブラウザが開いて Stripe Link による決済登録画面が表示されます。

既存の Link アカウントに紐づいたカードをそのまま選択して保存すると、完了画面が表示されます。

CLI 側の表示も変わり、カードの登録と上限金額の設定が変更されたことがコメントされます。
✓ Billing updated — card ending in 0321, $10.00 USD/month per provider.
通常のクレジットカード情報を登録する方法でもOKみたいです。基本的に、Stripeがその国でサポートしている決済手段はいけるように見えます。

登録した決済情報は Shared Payment Token としてトークン化されます。プロバイダーに渡るのはこのトークンであり、元のカード情報そのものは共有されません。
billing show で確認する
登録後は billing show で内容を確認できます。
% stripe projects billing show
Billing Method
Card: **** **** **** 0321
Shared with providers: none
Usage limit: 10.00 USD per month
カードの末尾 4 桁・プロバイダーへの共有状況・月次上限が確認できます。この時点ではまだどのプロバイダーとも共有されていない状態です。
有料プランを試みて気づいたこと
billing の設定が済んだので、Vercel のサービスを追加しようとしました。
% stripe projects add vercel
✖ Select your plan
› hobby ● Free
The perfect starting place for your web app or personal project.
Service selection cancelled.
カタログでは Free & Paid と表示されているにもかかわらず、有料プランが選択肢に現れません。
% stripe projects catalog | grep vercel
vercel/project ● Free & Paid An application deployed ...
原因は対応国の制限です。公式ドキュメントには次のように記載されています。
In the developer preview, this payment handoff is only available in the US, EU, UK, and Canada.
日本は現時点で対象外のため、有料プランへのアップグレードに必要な payment handoff が機能しません。そのため現状では free tier のみ利用できるようすです。
今後に期待
billing 機能そのものは問題なく動作しました。有料プランへのアップグレードは日本での対応を待つことになります。Stripe Projects が GA になった際に改めて検証する予定です。